PROFILE

徳岡 真紀 (とくおか・まき)

とくおか真紀のプロフィールとこれまでの歩みをご紹介します。

暮らしが変われば世界が変わる

20代の頃から、南米エクアドルやコロンビア、
東南アジア諸国を一人旅。
就職超氷河期を戦って一部上場企業で新卒採用されるも、 一年で倒産、失職。
ロストジェネレーション。
契約社員から始まる社会人生活…

― Think Globally Act Locally ―
 地球規模で考え、地域で行動する

いつも心に置いているこの言葉は、さまざまな旅の経験から。
訪れた南米エクアドルの熱帯雨林では
先住民が昔から使ってきていた薬草を大手製薬会社が特許を取って大量に搾取し、先住民が使えなくなっているということを聞きました。

美味しいコーヒーを求めてコロンビアのコーヒー農園を訪ねると、
「おいしいコーヒーはすべてあなたたちの住む先進国に輸出してるんだ」と言われ、頭をハンマーで殴られたようでした。

地下資源をめぐり現在進行形で
アメリカ先住民が土地を追われているアメリカの居留地へ。
電気も水道もない先住民のおばあちゃんのもとで、 100頭の羊飼いボランティアをしました。

世界はつながっている――
日本に住む私たちの暮らしが、地球の裏側に暮らす人々の暮らしと直結していることを知りました。

(三次市内の中学生対象・バングラデシュへのスタディーツアーの企画運営)

暮らしを見つめ直す

2002年〜、イラクで石油をめぐる戦争が起こったのを機に、
資源の奪い合いではなく、地域資源を地域で循環させようと有志とともにNPOを立ち上げ、森林バイオマスで資源循環型のまちづくりを、と5年活動しました。

それまで、「ここには何もないし。。。」
と、外ばかりに向いていた私の心が、生まれ育った地域に向きました。
「私たちの暮らしが変われば、世界の暮らしも変わる」と気付いたから。

学生時代にバングラデシュで村の教育支援の ボランティアをしたご縁から、
三次市バングラデシュ交流委員会を組織していただき、
三次市内の中学生を対象にバングラデシュへのスタディーツアーの企画運営を行いました。

( 福島・東日本からの子どもたちを受け入れる保養活動のほか、移住者向け情報誌を作成)

母親になって

その後、結婚出産。夫の就職を機に東京に移住しました。
わずか1年半、東日本大震災を機にUターンすることに。
被災した子どもたちの命をまもりたい一心で活動を始め、保養活動として東日本の子ども達の受け入れも行いました。
学校給食の放射能検査をしてほしい、とお母さん仲間とともに初めて議会へ請願を提出すると、
三次市では学校給食の放射能検査のほか、空間線量の検査が実現。現在も続いています。

このまちの豊かさ

東京ではすべてお金を払わなければ手に入らない生活でした。
しかし三次で暮らせば自然という何にも代えがたい資源があることに気付きました。
そして、何よりも、人と人との深いつながり。
東京から帰ってきた私たち家族を、我が子のようにかわいがって迎えてくれる地域の方々の温かさは、地域全体が家族のよう。

(三次市集落支援員/地域の魅力を詰め込んだマップ制作の様子)

できることから ひとつずつ

これまで、まちづくりや環境問題、国際協力にかかわってきた経験を活かして、地域に恩返しできないかと考え始めました。
庄原市でまちづくりの活動支援をする中、三次市にはなかった国の制度・集落支援員制度を知り、
市へ働きかけ、導入してもらい、就任。

和田地区のまちづくりビジョンの策定を中心的に取り組み、住民一人一人の声を聞きたいと、小学生以上全住民へアンケートを取りました。
そのアンケートには、今の暮らしへ要望やこれからの暮らしへの不安がたくさん詰まっていました。
そのビジョンをもとに、空き家対策や子育て支援、地域の魅力をまとめたマップ制作など、一つずつ活動してきました。

「クラシノワ舎」立ち上げ

さらには、さとやまの暮らしの智慧を伝える活動を、と
『クラシノワ舎』を立ち上げました。
増え続ける休耕田を活用し、今では自給率0%のコットン、
中でも日本の気候風土の中で昔から育てられてきた和綿の種を蒔き、
子育て中のお母さんたちとアクセサリーを制作・販売や、
味噌作りや薬草講座など、さとやまの暮らしの知恵を伝えるワークショップなどを行ってきました。

(クラシノワ舎/市内小学校を中心に糸紡ぎのワークショップを開催)

地域の悲痛な叫びに直面

しかし、集落支援員を始めた4年前と比べて、
地域の声がさらに悲痛な叫びに変わってきました。

高齢化に伴う農作業の困難、草刈りができない、田畑が作れない、水の管理ができない、体が不自由になって車を運転できない、自分が死んだら空き家になってしまうがどうしたらいいだろう。頑張って育てた作物をイノシシにやられたー…
地域の疲弊が急激に進んでいく姿に集落支援員での活動では十分でないのでは、と感じ始めました。
地域の課題解決の仕組みから変えていく必要がある。もっと大きな枠組みで、地域を変えていく必要があります。

しかし、
いったい私に何ができるのだろう。

まずは、この困難な状況に耳を傾け、共に考えカタチにしていく仕組みをつくること。


これまでの私の経験を生かして、
さらに新しい挑戦が始まります。

経歴

1973年 三次市和知町生まれ。
 三次市立和田小学校、三次市立塩町中学校を経て
1991年 私立安田女子高等学校普通科卒業、
1995年 関西外国語大学 外国語学部 英米語学科卒業。
 ※在学中、バングラデシュの村に学校を建てるボランティア活動を行う。
1996年 株式会社ヤオハンジャパンに勤務、1年後倒産により失職。
1997年~ 株式会社JTBに勤務。ロストジェネレーション世代の影響を受け、
その後もリクルートやスターバックスジャパン、株式会社広島三次ワイナリーなどの契約社員として働く。

2002年 有志とともにNPO法人「森のバイオマス研究会」を立ち上げる。
2011年 東日本大震災を機に、東京からUターンする。
2014年 庄原市自治振興区連合会の事務局員として勤務。
2016年〜 三次市集落支援員として和田自治連合会に従事。
2017年〜 さとやまの知恵と暮らしを伝える「クラシノワ舎」起業。
 ※ひろしま「ひと・夢」未来塾(第2期生)、 最優秀賞受賞
2019年〜 一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所・特別研究員

和田小学校PTA母親代表

  • 家族構成: 両親・夫・息子の5人暮らし。(猫1匹)
  • 趣味: 旅・空想・民藝とコーヒーをこよなく愛する
  • 好きな本: 「絵本 にぐるまひいて」 ・ 「ガンジー自立の思想」
  • 好きな言葉: Think globally Act locally(世界規模で考え、地域で行動する)